約 431,296 件
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1749.html
317 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/11(木) 13 53 53.89 ID j2/TrN9h0 京介「成績下がってるぞ、優乃」 優乃「だってお兄ちゃんがぁっ!」 涼介「へっ、バーカ」 優乃「う~っ!お父さんのせいでバカにされたじゃないっ!」 京介「おおっ…立場弱いな、俺」 桐乃「ちょっと、ちゃんと叱らなきゃダメでしょ」 京介「すまん、後は任せた」 桐乃「もうっ、しょーがないなあ……ゆうちゃん、こっち来なさい」 優乃「うっ……!う~……」 桐乃「ゆうちゃん成績下がったらどうなるかわかってるよね?」 優乃「やだあ……ペロペロはやだあ!」 桐乃「ダメ~♪ふひひ~っ!つかまえたあ♪」 優乃「いやあ~っ!」 318 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/11(木) 13 55 01.50 ID aWsCjAag0 涼介「と、まあ、こんなバカな妹で申し訳ない」 319 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2013/07/11(木) 14 11 12.98 ID 59ifngSPO 優乃「おかしくない!?」 涼介「なにがだ、バカ」 優乃「それ!お兄ちゃんがあたしをバカ呼ばわりするからあたしアホの子認定されてんじゃん!!」 涼介「間違ってねーだろバカ。自分の言動顧みろバカ」 優乃「う・・うう・・・おか―さーん!!(ダダダダ)」 涼介「ち。まーた泣きつきやがって・・・」 京介「お前も難儀だなあ・・・」 涼介「親父!」 京介「ったく、喧嘩ばっかしやがって。ホントは好きなのに素直じゃねーよなお前も」 涼介「気持ち悪いこと言うなよ。そんなことねーよ」 京介「はいはい・・・ったく。ホントそっくりだよ、桐乃とお前」 涼介「えっ!?それって親父のこと好きってところが!?」 京介「なにに感化されたんだお前はっ!?」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1077.html
270 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/09/07(水) 01 03 39.40 ID s/mCYEpiP [1/6] 「はあ、どうしたもんかね」 ある秋の夕暮れ。俺は一人頭を抱えながら帰り道を歩いていた。 頭を抱えながらって言っても、頭が痛いとかそういうんじゃねえからな? あ、いや、ある意味それも間違っちゃいないかもしれえけど。 俺が何で頭を抱えているかといえば、ある事情があるわけで。 何でも今日、9月6日は妹の日なんだと。 妹の成長を祝い祈願する日らしい。 まあつまるところ、父の日や母の日の妹バージョンって考えるといいだろう。 朝からやけにテンションの高い赤城からそんなことを聞いた。 ちなみに、弟の日や姉の日、兄の日というものもあるらしい。 「ムフフ、今日は瀬菜ちゃんに目一杯構ってやるんだ。 今日は妹の日だし、兄貴は何やっても問題ないしな!」 なんてことも言ってたがそれなんかちがくね? 妹に何してもいい日じゃなくて妹に何かしてあげる日なんじゃねえの? そう突っ込もうとしたところでチャイムがなり、結局突っ込むことが出来ずじまいだった。 瀬菜も大変だな。あんな兄貴を持っちまってよ。・・・・・・なんて今更か。 でもまあ、ある意味あそこまではっちゃけられる赤城を羨ましく思わないでもない。 「しかし、妹の日か・・・・・・」 俺が妹といわれて真っ先に思い浮かぶのは、当然ウチの妹である桐乃のことだ。 「桐乃に何かをしてやる、ねぇ・・・・・・」 ぶっちゃけ何も思い浮かばん。 普段からやれアキバにつれてけだの買い物に付き合えだのエロゲ買ってきてだのとこき使われてる俺が、なんでそんな妹のために何かし てやらくちゃならんのかと。 むしろ俺をもっと労ってほしいぐらいなんだけど。 ああ、でも最近は付き合わされた後に「今日はありがとね」とか、買い物ついでに何か買ってやったときに「これ、大事にするね」と薄 くはにかむ桐乃は可愛いと思わなくもないな。 いっつもすぐに顔逸らしちまうけど。 減るもんでもないだろうに、もっと見せてくれてもいいのによ。 ふむ、そう考えると桐乃に何かやってあげようかという気分になるから不思議だな。 ・・・・・・別に照れる桐乃を見たいとかそんなんじゃねえからな? 勘違いしないように。 「とはいえなあ・・・・・・あいつのしてほしいことって、何だ?」 そう、それが冒頭で俺が頭を抱えていた原因であった。 よくよく考えてみれば、俺はいつも桐乃にこうして欲しいああしてほしいって言うのを実行したことはあれど、自分から率先して桐乃が やってほしいと思うようなことをしたことがない、と思う。 あいつの趣味を守るために親父に殴られたり、あやせを説得したり御鏡にムチャクチャなことを言ったのは自分のためだから含まれない だろうしな。 「俺が桐乃のためにできることか・・・・・・」 一番手っ取り早いのはさっきも言った通り、桐乃に何をしてほしいか聞くことだろう。 でもできればそれはしたくないってのがあるんだよな。 だってそれだと俺は「あの夏」から何も進歩しないことになっちまうし。 「う~む・・・・・・何か贈り物って言うのは時間的に無理があるしな。今からアキバ行く時間なんてねえし。 最近は特にこれって言うほどほしいって言ってたものもなかったしな。となると・・・・・・どうすりゃいいんだ?」 まいった。いきなり躓いちまったぞ。これはマズイ。 うむむむむ・・・・・・よし、考え方を変えよう。 「俺が桐乃に対してできること」じゃなくて「俺が桐乃にしてやりたいこと」にしよう。 これなら俺の意思だけで決定できるし、桐乃に文句言われてもしゃーないですむしな。 「我ながらいい考えだ。後は俺が桐乃に何をしてやりたいか、だけど・・・・・・」 あーでもないこーでもないと考えながら、俺は家へと歩を進めていった。 そんなこんなで夕飯も終わってフリータイム。 今こそ考えていたことを実行に移す時! コンコン 「誰?」 「桐乃、俺だ」 ガチャリと開いたドアの間から桐乃が顔を出した。 以前までは、まるで俺を狙うかのように勢いよく飛んできたドアも今ではそんなことはほとんどない。 桐乃の機嫌が悪い時はその限りじゃないが。 「なに?」 「すまん、ちょっとな。今時間いいか?」 「別にいいけど・・・・・・珍しいじゃん。あんたからあたしの部屋に来るなんて」 「まあな」 「なんのつもりか知らないけど、早くしてよね。あたしやりたいことあるし」 「エロゲか?」 「なんだっていいじゃん。とりあえず入ったら?」 「おお」 桐乃に促されて部屋に入る。 いつも通り明るい調子に整えられている部屋はきれいにまとまっていた。 PCもついてないところを見ると、特にこれといったことをやってなかったのかもしれない。 「はいこれ」と手渡されたクッションを敷いて床に座った。 桐乃はベッド、俺は床。いつも通りのポジションである。 「で、何?」 「ん?」 「だから、あたしに用があってきたんでしょ? さっさと言いなさいよ」 「そうだな。別に隠すもんでもねえし。桐乃、お前今日が何の日か知ってるか?」 「妹の日に決まってんじゃん」 即答だった。 よくよく考えてみれば妹に眼がない桐乃が今日という日を知らないわけがない。 どうしてその程度のことに頭がまわらなかったのか。自分が呪わしい。 「あ、何? もしかしてそれのためにあたしの部屋にまで来たわけ?」 何が嬉しいのか(多分俺をからかうのがだろうが)実に愉快そうにニマニマとする桐乃。 くっ、これはマズイ展開だ。このままでは桐乃に主導権を持っていかれてしまう。 「お、おう。そういうことだ」 「へぇ~。まさかあんたが知ってるなんて思わなかった。それで? 何かしてくれんの? ま、妹の日だし? こ~んな可愛い妹に何もしてあげないっていうのもありえない話だけどね~」 相変わらず一々こっちを煽るような言い方をしやがって。 可愛いのは認めてやるがあんまり調子にのるんじゃねえぞ。 俺の反撃はここからなんだからな! 「そうだな。お前みたいに可愛い妹に何もしないってのも失礼な話だよな」 「え?」 「頭がよくって、運動神経抜群で、その上可愛い。 けどその裏じゃスゴク頑張ってる妹に何もしてあげないっていうのは失礼だよな」 「・・・・・・・・・・・・」 何だよその目は? まるで信じられないものでも見るような目をしやがって。 俺がこんなこというのはそんなにおかしいかよ? 「こんな日だから素直にいうけどさ、俺はお前のこと凄く尊敬してるんだぜ? 何に対しても全力で取り組む姿勢。諦めない心。向上心。 今でこそ俺も頑張ってるけど、それは全部お前から貰ったもんだ」 なかなか素直にいえない本心。俺は今それをさらけ出してる。 「時々無茶のし過ぎで見てられないときもあるけどさ、それもお前の魅力だって思ってる」 俺が桐乃にしてあげたいこと。 それは自分の心のままどこまでも素直に桐乃を褒めてやりたいってことだった。 「い、いきなり何いいだすのあんた。キモいんですけど」 「それは流石にひどくないか」 顔を赤くして睨むようにこちらを見る桐乃。 俺が恥ずかしいのを我慢して言ってるのにこの仕打ち。いつも通り過ぎて涙が出てくるぜ。 しかしここで止まるわけにもいかん。中途半端なところでやめれば余計に恥ずかしいからな! 「だ、だって」 「まあ聞けよ。 俺のために自分の気持ちを殺して俺の背中を押してくれたこと。スッゲー嬉しかった。 あの時自分のことムチャクチャバカだと思ったけど、桐乃の気持ちは本当にうれしかったんだ」 それこそ泣いちまうぐらいにな。 「あの時もいったけどさ、もう一度言うな。ありがとう、桐乃。俺さ、お前が妹でよかったよ」 「俺、お前のこと大好きだわ」 言った。言っちまったよ。 なんかちょっと予定と違うこと言った気もするけど、問題ないよな? やべー。超恥ずかしい。多分俺顔真っ赤なんじゃね? そう思うぐらい顔が暑いんだけど。 それはそうと、桐乃は・・・・・・ 「・・・・・・・・・・・・ばかじゃん」 その言葉に恥ずかしさで逸らしていた顔を桐乃に向けてみれば、さっきよりももっと顔を赤くしてる桐乃がいた。 「別に、あんたのためだけにやってたことじゃないし・・・・・・ あたしだって、あたしだって本当は・・・・・・」 何かを言いたそうに、それでもいえない何かを我慢するように言いよどむ桐乃は、 それから少しだけ間を空けて、意を決するように顔をあげた。 「あのさ、今日は妹の日じゃん?」 「おう」 「だったらさ、妹の言うことの一つぐらい聞いてくれるよね」 「まあ、それぐらいならな」 「あたしさ、あたしも、本当はもっと京介に言いたいことがあるの」 「そう、なのか?」 「うん」 もっと言いたいことね。今まで散々いろんなこといわれてきたわけだが、それでも足りないというんだろうか。 なんだか聞くのが怖いような怖くないような。 「だけど、ちょっと、今はまだ言えそうもないの」 「・・・・・・・・・・・・」 「だから来年、もしかしたらもっと先になるかもしれないけど、 その時にくる「兄の日」に聞いてほしいんだ。今、あんたが言ってくれたみたいにさ」 「・・・・・・わかった。その時は覚悟しとく」 「うん。期待してていいよ」 よし。これで話も終わりだな。桐乃もやることがあるって言ってたし、そろそろ部屋に・・・・・・ 「それでお願いなんだけど」 「は? さっきのがお願いじゃねえの?」 「さっきのは今度の話。今やってほしいことは別」 そうならそうと先に言ってくれよ。まぎらわしいやつだな。 「わかったよ。んで? 俺は何をすればいいんだ?」 「うん。それはね・・・・・・・・・・・・」 その後のことはあえて語るまい。 あえて言うなら、俺は桐乃に「簡単なお仕事」を申し付けられたとだけ言っておこう。 まったく桐乃も何考えてるんだか。簡単じゃねえから。あれ簡単じゃないからね。 しかも妹の日に妹にお願いされたら断れるわけないし。 まあ気持ちよかったりあったかかったりいい匂いしたりで色々あったわけだが。 何だかんだと強烈な思い出を俺に刻んでくれた妹の日。 そんな妹の日を上回る「兄の日」がこようことをこの時の俺は思いもしていなかったのだった。 -おわり- -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1213.html
484 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/10/17(月) 16 29 46.57 ID l3vntX4M0 [2/9] 480 親バレを考えたらこうなった。 京介(俺はもしかして、桐乃を女として愛しちまってるのか? 桐乃も満更じゃねえみたいだし…… ……桐乃と二人で生きていくのも、それはそれでいいかも知れねえな。 けどよ、親父たちになんて言えばいいんだ?) 大介「おい、京介。 俺の部屋に来い。話がある」 京介「話?」 大介「………………」 京介(親父、滅茶苦茶怒ってるんだが……一体どうしたんだ?) 大介「……京介、お前とうとう桐乃に手を出したそうだな」 京介「は?」 大介「惚けるな。お母さんに聞いたぞ。 街中で腕を組んで歩いたり、抱き合ったり、人目も憚らずキスしたり、 ウェディングドレスを着せて連れまわしたり、ラブホテルに行ったり、 二泊三日の泊りがけで熱海に行ったりしたらしいな」 京介「親父!それは―」 バキッ 大介「言い訳をするな!見苦しいぞ、京介!」 京介(駄目だこの親父!頭に血が上って人の話を聞きやしねえ! そもそも、泊りがけの旅行なんてしてないって親父も知ってるはずだろ!) 大介「……おい、京介。 桐乃のことは好きか?」 京介「ああ。世界中の誰よりも大好きだ」 京介(まだ、この気持ちがただの兄妹愛なのかはわからねえんだけどな) 大介「そうか……そこまで言うのなら仕方がない。 お前たちの関係を認めてやる」 京介「え?」 大介「血が繋がっていないとはいえ、お前は俺の自慢の息子だ。 お前になら桐乃を任せられる」 京介(え?血が繋がってないって?桐乃を任せられるって? あれ?あれ?) 大介「孫か……桐乃に似て可愛いのだろうな…… 顔を見るのが楽しみだ」フフフ 京介(えー?) 桐乃「お父さん、なんだって? って、どうしたのその顔! すごい腫れてるよ!?」 京介「親父に殴られた」 桐乃「あんた、何かお父さんに怒られるようなことしたの? ほら、こっち来て。手当てしてあげるから」 京介「悪いな」 桐乃「それで、何があったの?」 京介「よくわからんが…… 俺と親父は血が繋がってなくて、桐乃を任せるから早く孫の顔が見たいらしい」 桐乃「なにそれ……わけわかんない」 京介「俺だってわけわからんぞ。 ……だが、桐乃を任せると言われて、悪い気分じゃないな」 桐乃「……シスコン」カァァァ 京介(確かに俺はシスコンなのかも知れねえけどな、それだけじゃなくて……) 京介「……なぁ桐乃、一つお前に言いたいことがあるんだ」 桐乃「なに?」 京介「俺は、おまえを―」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/27.html
580 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/10(水) 00 08 33 ID LAo9TbXc0 [1/8] ならば具体的過ぎると構想の幅を狭めるのでお題式で 冬が近いので「こたつ」でクンカー 614 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/11/10(水) 02 19 14 ID 5CiNcE350 [1/2] 京介「おーい桐乃ー居ないのか? エロゲー返しにきたぞー……って、部屋の鍵空いてるし ……しっかし、メルルちゃんコタツとか、考えるヤツはスゲーな 買うヤツももっとスゲーよ。いやウチの妹様のことなんだけどね。 よっこらせっと……ふー まあコタツ布団の柄がメルルちゃんなだけの普通のコタツだわな。 いや、メルル柄の時点で普通じゃない気もするが。 ……コタツは日本が生み出した最高の文化だと思わないか、リリン? 桐乃が戻るまで、暫くコタツ様の世話になるか、うん」 桐乃(世話になるかぁ~ははん♪……じゃないわよバカ!! あたしがコタツの中に入ってるのに気づかなかったの!? っていうか、スイッチ入ってないのに、何がコタツは文化よ! アンタを楽しませる為に、あたしはコタツに潜ってコードを刺し直した訳じゃな…… ……靴下ァァァァーーーーー!! 兄貴の靴下!? コレ絶対兄貴の靴下だよね? コタツの中と外が四次元じゃない限り、これ兄靴下決定!! うっはぁ~きっもぉ~~……スンスン……あー、完全に兄貴だね。これ兄貴の臭い。キモっ! あー最悪、最っ低。コタツって熱を逃がさない構造になってるじゃない? つまり臭いも逃がさない状態ってこと。あたし、兄靴下の充満した空間に閉じこめられたってことね。きもっ) 京介「ん? なんだよ、スイッチ入ってねーじゃん。よっと……お、届いた。 いや、いったんコタツから出ればいいと思うだろ。しかしだね、コタツには人を引き付ける魔力があるんだなー 変わらぬただ一つの吸引力、それがコタツ。切→入っと」 桐乃(ヤバいよ、ヤバい、あたしの身体にどんどん兄貴の臭いが染みついてきている。 マジありえない。どうすんの? どう責任とるの? っていうか、なんで人の部屋でコタツ楽しんでるの? 兄貴の臭いの海原、あたしの怒りゲージはMAX、つまりあたしは海賊王になる直前 そう海賊王。海賊王になる為にはどうすればいい? 兄靴下(読み方:グランドライン)を越えなきゃだめじゃん! はぁ…はぁ……か、海賊王になる為なんだから……け、決して兄貴の靴下を嗅ぎたい訳じゃないんだから! スンスン……スーン……ああ、この布一枚先には兄貴の生足があるんだ……兄貴の生足……生足…… って、危ない、危ない、これ以上近づいたら鼻が兄貴の足にぶつかる。 さすがに兄貴が鈍感でも、触られたら気づく。っていうか、そうまでしないと気づかないのっておかしくない? あたしが兄貴に足の臭い嗅がれたら、寝てても気づくのに。なんで嗅ぎにこないんだろう、兄貴……あたしのこと嫌いなのかな? それにしても暑っい! 電源は入ってない筈だけど。なんか周り赤いし。これ兄貴の臭いの色? ありえない、兄貴の臭いってこんな色なの? マズい、それすっごくマズい。 だって毎日3時間以上兄貴の臭い嗅いでるあたしも赤くなるってことじゃない? ソレ 赤って通常三倍の色でしょ。つまりあたしは毎日9時間以上、兄貴をくんかしなきゃ死んじゃう体質になるってこと? 9時間!? 9時間も兄貴の臭い嗅いでたらテクノブレイク確実じゃん! 兄貴、あたしを殺す気? シスコン兄貴、ついに禁断の兄妹姦に絶望して無理心中はじめた!?) 京介「う~ん……いかん、眠たくなってきた。流石に妹の部屋で寝るのはマズいだろ んんーー。背筋を伸ばしてーって、ラジオ体操かよ。っと足も伸ばして……ん?」 コツン 桐乃「き、き、き、キスしたぁぁぁぁぁ!?! 兄貴の足とキスしちゃったぁぁぁぁぁ!?! な、なにそれ、兄貴本気? どういうこと? 兄貴実はSだった? 俺の足を舐めろって、タナトスモード!? あ、兄貴の分際で、あたしに命令するつもり? 凌辱系エロゲーは規制で苦しいっていうのに、鬼畜兄貴モード!? く、くやしい! でも嗅いじゃう!! い、いい? あたしがアンタの足を舐めると思ったら大間違いよ!! あたしは嗅ぐだけ。嗅ぐだけなんだからね! わかった? この変態! きもっ! スンスンススン……鬼畜兄貴の臭い強烈ぅ……鬼畜兄貴の靴下攻めに、あたし完全敗北目前ッ!」 ペロっ 京介「き、桐乃!? なにやってんだ、こんなところで?」 桐乃「ほへへぇ……」 京介「脱水症状起こしてるじゃねーか!」 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1003.html
261 名前:【SS】影送り 1/2[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 16 01 18.10 ID VNV1NBp70 [1/3] 「京介、起きて」 身体を揺さぶられる感覚に目を覚ませば、何時かのように桐乃が俺に馬乗りになっていた。 ビンタで起こされなかっただけマシだよな、と思いつつ、ふと違和感を覚えた。 違和感の対象は桐乃の表情。あの時のような不機嫌そうな顔ではあるが、一点だけ違っている。 「おまえ、泣いてるのか?」 少しだけ、目じりに水滴が見えたような― 「~~~~!」 俺の言葉に、桐乃は慌てたように腕で顔をぬぐう。 「平気か?」 身体を起こしながら桐乃に尋ねる。 「うっさい!とにかく早く起きて」 桐乃はそう言うと俺の上から降りた。 俺に見られたくないだろう顔を見られたっていうのに、桐乃はあまり怒っていないようだ。 一体どうしたっていうんだ。 俺は桐乃に言われた通りにベッドから起き上がる。 それと同時に、桐乃が部屋のカーテンを開けた。 今日は晴天だ。青い空が寝起きの目に眩しい。 「ちょっとこっち来て」 桐乃に促され、窓際に立つ。 温かな陽光に体が包まれる。それ自体は気持ちがいいんだが、桐乃の様子がおかしいので気分は良くならない。 「・・・・・・ちゃんと影はある」 影?影がどうかしのか? 「おい桐乃、何のことだか説明してくれ」 「黙ってて」 桐乃はピシリとそう言うと、俺の体を触り始めた。 頭、顔、首、肩、腕、胸、腰、足・・・ そして最後に俺の手を強く握った。 「触れる」 そう言うと、桐乃はふぅと一息ついた。 桐乃が俺の手を握って安心してくれるのは嬉しいんだけどよ、何を心配していたのかわからなきゃ俺のほうが安心できねえじゃねえ か。 「一人で納得してないで俺にも説明しろ」 俺の言葉に、桐乃は言い辛そうに目をそらす。 「・・・・・・言いたくねえなら、無理には聞かねえけどよ。 でもな、俺はおまえの兄貴なんだから、おまえの力になってやりてえんだよ」 俺の言葉に、桐乃はおずおずと視線を俺に返した。 「・・・・・・変な夢を見たの」 桐乃がポツリと話し始める。 「変な夢?」 「うん。あたしと兄貴が公園で遊んでるんだけど、空がピカッと光ったと思ったら、兄貴が影だけ残して消えちゃったの」 「俺が影だけ残して消えた?」 「それでね、あたしはワケが分かんなくてずっと残った影を見てたんだけど、ふと空を見たらその影が空に浮かんでいっちゃったの 」 「・・・・・・」 「怖くなって家に帰ったんだけど、家に帰ってもお父さんとお母さんどころか家も無くなってるし・・・・・・ 寂しくなって一人で泣いてたら目が覚めたの」 それで不安になって俺のところに来て、俺の体と影を確認したのか。 子供っぽいと言っちゃそうなんだけどよ、夢の事を気にして俺を確かめに来るなんて、意外と可愛いと思ってやらなくもないな。 262 名前:【SS】影送り 2/2[sage] 投稿日:2011/08/06(土) 16 01 51.49 ID VNV1NBp70 [2/3] それにしても、今の話どっかで― 『桐乃、いっしょに十まで数えるんだぞ』 晴天の空の下。他に誰もいない公園で。 そこで俺と桐乃は二人で手をつないで地面を見ていた。 『うん! いーち、にーい、さーん』 『しーい、ごーお、ろーく』 『しーち、はーち、きゅーう』 『『じゅう!』』 空を見上げると、空には仲良く手をつないだ二人の影が空に映し出されている。 『お兄ちゃん、すごーい!』 『桐乃、これは『影送り』って言ってな―』 そうか。今日は八月六日だから、そんな夢を見ちまったのか。 「ねえ京介。 京介は黙っていなくなったりしないよね」 桐乃は俯き、俺の手の感触を確かめるように、握ったままの手に少しだけ力を込めた。 「桐乃・・・・・・」 俺たちはずっと無視しあって来たけれど、俺たちはよく喧嘩するけれど、それでもこいつを不必要に思ったことは一度もない。 昔は煩わしく思ったこともあったけど、今はもう離れたいとは思わない。 そう、なにがあっても。 俺の手を握る桐乃の手。その手を握り返す。 「京介?」 「桐乃、俺は黙っていなくなったりしねえから。 もしどこかに行っちまっても、絶対におまえのところに帰ってくるから」 だから、おまえはそんな顔すんな」 もう一度、桐乃の手を握る手に力を込める。 「・・・・・・わかった。 あんたが帰ってくるって言うなら、あたしもずっと待ってるから」 桐乃も、握る手に力を込める。 あの戦争で、一体どれだけの恋人が、親子が、兄妹が、こんな約束を立てたんだろうか。 そして、一体どれだけの約束が果たされたんだろうか。 俺たちは、この約束を生涯守りきれるだろうか。 そんなことを考えながら、握る手に力を込めた。 「京介ー、桐乃ー、ご飯よー」 下からお袋が呼ぶ声が聞こえる。 「それじゃあ下に行くか」 「うん」 桐乃の手を握る手から力を抜く。 でも、握り合う手は放さない。 ご飯を食べたら、二人であの公園に行ってみよう。 そして、あの日のことを話しながら、あの日のように影送りをしてみよう。 空にはあの時のように、仲のいい兄妹が映るだろうか。 -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/928.html
65 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/07/12(火) 02 39 12.54 ID yQreNWvv0 [2/2] 【SS】特効薬 風邪を引いた。 暑いからといって、窓全開、扇風機強、タオルケットもかけずに寝たのが悪かったらしい。 そしてこういう日に限って親父もお袋も朝早くから家を留守にしてるし、 昨日の夜桐乃も用事があるとかで帰りが遅いと言っていた。 とりあえず薬と水を枕元におき、布団を用意、学校と両親、あと一応桐乃にも連絡を入れたところで力尽きた。 『ねぇお兄ちゃん。あたまがいたい』 『平気か?桐乃』 目が覚めたのは何時間後だっただろうか。 上体を起こされ、タオルで体中を拭いてもらっていた。 「ありがとうな」 朦朧とした意識の中で、誰とも知らぬ相手にお礼を言った。 「お礼なんていいから、あんたは寝てなさい」 身体を起こされてるのに寝るのなんて無理だろう。 そう考えたが、体を拭く優しい感触が心地よく、俺はすぐに眠りについた。 『体をふいてやるからな』 『きもちちいいよ、お兄ちゃん』 次に目が覚めたのは三時くらいだった気がする。 いつかどこかで見たヨーグルトが置いてあった。 その隣には「食べたら薬を飲むこと」という書き置きがあった。 お腹がすいていたからその心遣いに感謝しつつ、ヨーグルトを平らげた。 薬を飲みそのヨーグルトをどこで見たのか考えていたら、いつの間にか眠りについていた。 『えへへーこのヨーグルトだいすきー』 『ほら、しゃべらないでちゃんと口をあけろ。 食べさせられないだろ?』 六時に目が覚めると服装がジャージになっていた。 前に目が覚めたときも服が変わっていた気がするが、二着あった予備のパジャマも全滅したんだろうか。 下着も変わっているが、あまり頭が働かない。 しばらくぼーっとしてると、桐乃がお盆に茶碗を乗せて入ってきた。 「あ、起きてたんだ。 調子はどう?おかゆ食べれる?」 「・・・頭が痛い。体が重い。 おかゆは食べれると思う」 「そう。じゃあ食べて」 桐乃はスプーンを俺に渡そうとするが、俺は体がだるくて取る気になれない。 しばらく桐乃はスプーンを突き出していたが、 「ちっ。 ほら、あたしが食べさせてあげるから」 俺が動かないのを確認すると、桐乃はスプーンでおかゆをすくい、息を吹きかけて冷ますと俺の口元に持ってきた。 「ほ、ほら。 ・・・あ~ん」 「あ~ん」 桐乃に言われたとおりに口を開く。 何か恥ずかしい事をしている気がするが、頭が働かない。 「・・・うまいな」 どこかで食べた事がある気がした。 「・・・・・・まなちゃんに手伝ってもらったの」 そうか。昔麻奈実が作ってくれたのか。 美味しかったので、催促するように口をあける。 「こら、がっつくな。 ちゃんとよく噛んで食べること」 俺はコクリと頷いた。 「どう?少しは楽になった?」 おかゆを食べ終わり薬を飲むと、俺は再度横になった。 「全然駄目」 先ほど桐乃に体温を測ってもらったが、39度近くあった。 朝からあんまり良くなってない。 「もうすぐウィルスが全滅するだろうから、そしたら熱が下がると思う」 「・・・・・・」 もうしばらく続くのか。 「・・・つらいの?」 桐乃が俺の顔を覗き込んで尋ねる。 俺は頷く。 「・・・そう」 桐乃は何か逡巡しているようだった。 しばらく迷ったあと、桐乃が口を開いた。 「あとで、特効薬をあげる。 それですぐに良くなるから。 だから今は眠って」 特効薬か。 ちょっと胡散臭いが、桐乃が言うなら信じていいだろう。 俺はコクリと頷くと、すぐに眠りに落ちた。 『お兄ちゃん、チューして』 『何言ってんだよ、桐乃!』 『チューしてくれたらげんきになるから・・・』 目が覚めると夜中だった。 今までのことが嘘に思えるくらい身体の調子が良い。 「桐乃の『特効薬』が効いたのか?」 身体を起こそうとして、誰かが手を握っている事に気がついた。 「桐乃・・・」 見ると、桐乃が俺の手を握り、ベッドに寄りかかりながら寝ている。 ずっと俺の隣にいてくれたのか・・・ 「ありがとうな」 桐乃の頭を撫でてやる。 「う~ん」 よく眠ってるみたいだ。 このままここにいられるのはまずいし、起こすのも悪いな。 俺は桐乃を抱き上げると、ゆっくりと桐乃の部屋に運ぶ。 幸い、桐乃は目を覚ます様子は無い。 やさしく桐乃をベッドに横たえ、ブランケットをかけてやる。 「お休み、桐乃」 もう一度頭をなで、部屋を出ようとすると、服の袖をつかまれた。 「早く、元気になって」 起こしてしまったのかと桐乃の様子を伺うが、どうやら寝言らしい。 ずいぶん心配をかけちまったようだな。 服の裾をつかむ指を少しずつはずし、手をブランケットの中に戻してやる。 ゆっくりとベッドから離れるが、今度は服をつかまれなかった。 自分の部屋に戻り横になると、すぐに睡魔に襲われる。 俺の身体は、どれだけ寝りゃ気が済むんだろうな・・・ 『えへへ~なおった!』 『良かったな、桐乃』 『うん! こんどお兄ちゃんがびょうきになったら、きりのがおにいちゃんに『とっこーやく』をあげるね!』 起きると朝になっていた。 ・・・・・・何か、昔の夢を見た気がする。 病気のときにはどうしてこう、実際にあったのかなかったのか微妙な夢を見るんだ。 伸びをしながら、何故か枕元においてあった携帯に手を伸ばす。 赤城や麻奈実から看病メールが届いている。 とりあえず麻奈実からの返信メールを空けてみる。 『ちゃんと桐乃ちゃんにお礼を言うこと! 麻奈実』 ?なんで麻奈実が、桐乃が看病してくれたことを知ってるんだ? そもそも、返信メールだけどよ、何に対しての返信なんだ。 送信箱にはなんも残ってねーぞ? 不思議に思いながらも着替えて一階に下りると、桐乃と鉢合わせた。 「おはよ。昨日はありがとうな。 おかげで完全に快復したぜ」 麻奈実にも言われたことだし、素直にお礼を言ってみる。 「・・・・・・」 桐乃は顔を赤らめてそっぽを向いた。 なんなんだいったい。 それにしても、桐乃の顔が赤いのって、まさか熱があるのか? 「ちょっとおでこ貸せ」 桐乃の肩をつかむと、無理やりおでこを合わせた。 「ちょっ!あんたなにやってんの!?」 桐乃が暴れるが、抱きすくめて熱を測る。 熱い。 少なくても平熱ということはないだろう。 「おまえ熱あるぞ。 まさか、俺の風邪が移ったのか?」 桐乃は俺の手を振り払うと、俺から距離をとった。 「熱があるなら無理しねぇ方がいいぞ。 薬飲んでゆっくり休め」 それに対し桐乃は先ほどよりも顔を赤らめながらもにこりと笑い― 「あたしは大丈夫だよ! 昨日特効薬貰ったから!」 -END- -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1477.html
885:【SS】母の日とプレゼント 1/2:2012/05/12(土) 23 39 04.46 ID mJBekPrc0 桐乃「明日は母の日だね。 京介はなんか用意したの?」 京介「それなんだが……カーネーションってのもつまらねえし、なんかちゃんとしたものを用意したいんだよな」 桐乃「ふうん」 京介「桐乃は何か用意したのか?」 桐乃「あたし? あたしは今からアクセサリを買いにいくつもり。 買いに行くチャンスがなくて直前になっちゃった」 京介「そうなのか」 桐乃「……今日これから予定ないなら、あたしと一緒にプレゼントを選ぶ?」 京介「これなんてどうだ?」 桐乃「はぁ? やっぱりあんたセンスまったくないね」 京介「ぐぬぬ…… それならこれはどうだ?」 桐乃「あたしには似合うと思うけど……お母さんにはもうちょっと落ち着いたのの方が良いと思うよ」 京介「そうか…… っていうか、さっきからおまえダメだしばっかだな。 桐乃もちゃんと選んだらどうなんだ?」 桐乃「だってあたしが選んだらそれで終わっちゃうし。 あんたのことだから、 『センスいいな。 それでいいんじゃないか?』 とか言うでしょ?」 京介「ぐぐっ」 桐乃「母の日のプレゼントなんだから、ちゃんとあんたも選ばなきゃダメでしょ? ほらほら、どんどん選んでいきなよ。 あんたがちゃんとしたやつ選ぶまで、ちゃんとあたしが付き合ってあげるからさ。 それに折角だからあんたのセンスも鍛えてあげる」 京介「というわけで」 桐乃「二人からの母の日のプレゼント!」 佳乃「わあ、ありがとう! 嬉しいわ~♪」 桐乃「ほらほら、空けてみて」 佳乃「どれどれ……」ガサガサ 佳乃「あら、キレイねー。 これ桐乃が選んだんでしょ?」 京介「ちげーよ! 俺が選んだやつだよ!」 桐乃「ほとんど総当りで選んだやつの中から、あたしが最終的に選び出したヤツだけどね。 京介に任せるから半日かかっちゃった」 佳乃「あら、やっぱり桐乃が選んだやつじゃない。 ありがとうね、桐乃」 京介「俺だって頑張ったのに……」 佳乃「はいはい、京介もありがとねー」 886:【SS】母の日とプレゼント 2/2:2012/05/12(土) 23 39 37.93 ID mJBekPrc0 京介「まったく、お袋のヤツ……」ブツブツ 桐乃「しょげないしょげない。 お母さんだってすっごい喜んでたじゃん」 京介「そうか?」 桐乃「そうだって。 多分明日、すごい上機嫌でつけてると思うよ」 京介「そういうもんかね」 桐乃「今日は疲れちゃったね。 あんたにセンスが無いことは知ってたけど、こんなに時間がかかるとは思ってなかった」 京介「へいへい、すみませんでしたね。 ……なあ桐乃」 桐乃「なに?」 京介「ほらよ」ポイ 桐乃「これ……あのお店の?」 京介「今日一日付き合ってもらったお礼だ。 空けてみろよ」 桐乃「う、うん」ガサガサ 桐乃「これって……」キラリ 桐乃「ふ、ふーん。 京介にしてはセンスあるじゃん」 京介「桐乃が『あたしには似合う』って言ってたやつを買っただけだけどな。 なんか気にしてたみたいだからよ」 桐乃「だと思った。 あたしが選んだようなもんじゃん。 さすがあたし、センスあるね」 京介「この……」 桐乃「~♪~♪~♪」カチャカチャ 桐乃「どう? 似合う?」 京介「……ああ。 すげー似合うんじゃないか?」 桐乃「♪ 当たり前でしょ、あたしが選んだんだから」ニコニコ 京介「はいはい、言ってろ言ってろ」 桐乃「でもさ、今回は良かったけど、あんたもうちょっとセンス磨いた方がいいよ。 だからさ、また今度あたしが徹底的に鍛えてあげるね!」 ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/855.html
895 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/24(金) 18 56 18.96 ID YMrGVLI60 [5/9] SS『嫉妬×嫉妬』 ※タイトルどおりなのでご注意を。 ※但し、きりりんに男が近づいたりはしないのでその点は安心して下さい。 「ふひっひひひっ」 今日は久しぶりに親父達の居ない日曜日。 おかげで隣の部屋からは妹のエロボイスが流れてくるわけだ。 「はぁはぁ、そ、穹ちゅわ~~ん」 ところで、エロボイスと言っても、 俺が妹の声に性的なものを感じているわけでは、決して、無い。 単に、エロゲーをやってる時のボイスでエロボイスだ。 「いいよぉ、かっ、かわいぃよぉ~~~」 何?普通そんな略し方しねーって? いいじゃねーか、略し方くらい。 つーか、いいかげんうるせーよ。 「エロいよぉ~~~、そっ、そんなとこまでっ!?」 そうだ、あくまで略してるだけだ。 俺は何も感じちゃいない。ただうるせーだけだ。 「だっ、だめだよぉっ!あ、あたしたち兄妹だよぉっ!」 そうだ、略してるだけなんだ。略してるだけなんだ。略してるだけなんだ。 略してるだけなんだ。略してるだけなんだ。略してるだけなんだ。 「す、好きだよぉ~~~、穹ちゃんだいしゅき~~~♪」 なっ!? 「うっ、うるせーよっ!!!」 「きゃっ!………な、何よ」 「前にも言ったが、おまえのエロボイスがうるせーんだよ!」 あ、あれ?俺、何怒ってんだ? 「また盗聴してんの!?変態っ!シスコンっ!」 「おっ、おまえのほうがよっぽどのシスコンじゃねーか! 何が『穹ちゃんだいしゅき~~~』だ。完全に変態じゃねーかっ!」 「へ、変態………?ふ、ふざけんな!妹に『あったかいな、おまえの身体』 とか言ってるあんたのがよっぽど変態じゃんっ!」 「く、くそっ!」 そう言われるとぐうの音もでないんだが……… だけど、冷静になって考えてみると、どうもおかしい。 つーか、俺、なんでこんなに怒ってたんだ? やっぱり、俺たちは仲の良い兄妹にもなれねーって事なんだろうか。 いや、それでも、俺は桐乃を悲しませる真似はしたくねえ。 「その、桐乃………」 「………何よ」 声色から分かる。当然といえば当然だが、桐乃は相当に不機嫌だ。 「急に怒鳴ったりしてすまんかった………」 「そう」 「なんでかわからねーが、急に変な気持ちになっちまったんだ」 「あっそ」 さすがに、これだけじゃ機嫌を直してもらえそうもないな。 しかたねー。 「桐乃。今からそっちに行ってもいいか?」 「………勝手にすれば?」 とりあえず、部屋に入れてくれる位には機嫌を回復してくれていたようだ。 桐乃の部屋に入る。 この部屋に入るのは………そうだ。 それこそ俺が桐乃に『あったかいな、おまえの身体』とか言った時以来じゃねーか! ………思い出したくもねー過去を思い出しちまったぜ……… 「あんた、何ジロジロ見てんのよ」 「あ、ああ、すまん」 「で、何?」 相変わらずの高圧的な態度。 でも、それが何となく心地よい。 いや、決してマゾとかそういった事ではなくてだな。 「今回の件は、俺が一方的に悪かった。反省してる」 「そ………分かってんならいいんだけどさ」 「それで、おまえ、俺にして欲しい事とかないか?」 「えっ!?あ、あんた、今なんて?」 「ん?だから、おまえ、俺にして欲しい事とかないか?」 俺は今まで、こいつに何もしてやらなかったからな。 これも良い機会だと思う。 それに、こいつともっと仲良くなれたら嬉しいしな。 桐乃は一瞬ぽかんとした顔をしていたが、それも束の間。 一転して、真剣な表情で考え込んでしまった。 つーか、考え込むほど、俺に期待してた事って何もねーのかよ……… 「それじゃ、お願い」 気が付けば、桐乃は、俺の事を正面から見据え、 何か怒ってるような表情で、こう言ってきた。 「駅前のジュンヌの1階にさ、若い女の子向けのアクセサリーショップがあるからさ あんた、一人で行って、何か買ってきてよ」 「な、なん………だと?」 「だって、お詫びのつもりなんでしょ?それくらいしてくれて当然じゃん?」 ま、まあ、確かにお詫びのつもりだったけどよ? そういう即物的なものを頼まれるとは思ってなかったんだよな。 偽彼氏の時じゃねーが、その………デート、みてーな……………………… いや、兄妹だから一緒に買い物を、だな? 「やっぱ、ダメ………かな?」 「いや、そんなことはねーぞ?」 「そっか。それじゃ、お願いね」 まあ、仕方ねー。今回ばかりは俺に全ての非が有るしな。 それにしても……… 「そのアクセサリーショップって、まさか、あのヤローの店じゃねーだろうな?」 「あの野郎?………………………って御鏡さんのこと?違うって」 「そっか………ならいい」 あれ?また、俺、何言ってんだ? マジでワケが分からねー……… 「ていうか、ジュンヌのアクセサリーショップって一つじゃないしー」 「ま、マジかよ!?」 「知らなかったの?あんた」 知らねーよ。 俺がそんな、若い女の子の集まる場所に行くわけがねーだろ? しかし、困ったな………。 「さすがに、俺のセンス良い物を選ぶのは難しいだろ。 それこそ、御鏡と一緒に行くくれーなら問題ないだろ?」 「は?あんたいつの間に御鏡さんと仲良くなってるわけ!?」 なんでそこでキレる? つか、俺と御鏡が仲良くなるくらい、何も問題ないだろ? 「さっきも言ったでしょ?あんた一人で買ってきてよ」 「どうしてもか?」 「どうしても」 なんつーわがままだよ。 まあ、お願いを聞いてやるって言ったのは俺だし、 これ以上言い合っててもしょうがねーよな。 「ま、あやせみたいにセンスの良いものを選べなくても、 あんたがくれるなら、それなりに嬉しいし………」 「そりゃー、現役モデルにセンスで勝てるわけねーよ。 それにしたって、おまえ、あやせの事本当に信頼してんのな」 「当たり前でしょ?あたし、あやせの事好きだし」 イラッ 「あやせもあたしの事好きだしー、相思相愛みたいなトコあるよねー」 「はぁ?あんなヤンデレ女と相思相愛?おめでてーな!」 「なっ、何あんた、いきなりキレてんのよ」 何言ってやがる。 せっかく俺が仲良くなろうと話を持ちかけたのに、 おまえが俺をキレさせるようなこと言うからだろ! 「もういい。あんたには頼まない」 「ああ、そうかよっ!」 「じゃあ、さっさと出てってよっ!!!」 俺は、追い立てられるように、桐乃の部屋を後にした。 一体何だってんだよ……… だって、あいつがいけないんだろ? わざわざ俺の感情を逆撫でるような事をいうんだから……… いや、それとも俺が気が付いてないだけで、俺に悪い点があるのか? だけど、わからねー いったいどうしたらいいんだよぉ……………………… いや、桐乃の事を良く知っていて、相談にうってつけの人物は確かに居る。 だけど………だけどよ……… でも、それでも……… 数日後、俺は再び伏魔殿の中へと入り込んだ……… 「それで、お兄さんがわたしに相談って、一体何のつもりですか?」 俺の目の前にいるのは、かつてのラブリーマイエンジェル。 だけど、今回の相談も、実はおまえが原因の一端だったりするんだよなぁ……… 「いや、その………な………」 「桐乃と仲直りしたい。そうですね」 「な、なんで………?」 なんで相談する前から内容が分かってんだよ。 この女、俺の頭の中分かんの? 「実は、桐乃からも同じ相談を受けたからです」 「そっか、そうだよな………」 やっぱ、俺よりあやせの方が……… 「はっきり言って、今回の件で、わたしはお兄さんの事、もの凄く見損ないました」 「は、はっきりだな」 「ですから、『はっきり言う』と言いました」 この女容赦ねぇよ……… 「桐乃はお兄さん突然がキレた理由が分からなかったみたいです。 でも、わたしは、桐乃の話を聞いて、理由が良く分かりました」 「そ、そうなのか………教えてくれよ。俺も、正直わからねーんだ。 なんで、あんなにキレちまったのか……… 本当は、もっと桐乃と仲良くなりてーのによ………」 「はぁ。お兄さんはほんとバカですね♪」 ひ、ひでぇ そして一方で、俺の目はあやせの口がその後も細かく動き、 何事か呟いたのを捉えていた。 こいつ、またバカとか呟いてね? 俺ってそこまでバカか……… 「お兄さん」 急にトーンが下がり、冷気を漂わせたあやせの声に、 俺は蛇に睨まれた蛙のように硬直してしまう。 「はっ、はいっ」 「お兄さんが、キレた理由。それは………」 「そ、それは………?」 「嫉妬………です。」 嫉妬………? 「いや、ちょっと待て、嫉妬ったって、桐乃の周りに男の影なんてねーだろ? そりゃ、御鏡の事気にしたときは、ちょっとそういう気持ちも有ったかもしれねーが、 その時はキレなかったし、他は関係ねーだろ?」 「はっきり言って、わたしが見損なうのも当然で、 お兄さんは桐乃に近づく男だけじゃなくって、女にも、 挙句の果てに、エロゲーキャラにすら嫉妬しています。」 ははは、何を馬鹿な。 エロゲーキャラなんてただの紙の上の絵みてーなもんだろ? それに、女の子同士仲が良いのは当然じゃねーか。 「お兄さんは認めたくないかもしれませんけど、 お兄さんの桐乃への独占欲は、もう、おかしいとしか言いようが無いレベルです」 「ま、待てよ、俺がいつ」 「だから、桐乃がお兄さんから少しでも引き離すようなものに対して、 それこそ、エロゲーキャラや他の女の子にすら、嫉妬してるんです」 なんだよ、そりゃ……… 俺は、二次元と三次元の区別もつかんほど、イカレてるってか? いくらなんでも、そんなわけねーだろ!? 「ためしに想像してみてください。わたしが桐乃と仲良くしてる姿を!」 「いきなりそんな事言われてもよ」 「じゃあ、桐乃がりんこちゃんにキスしている―――」 「桐乃はそんなことしねぇっ!!!」 「きゃっ」 あ………あれ………? 「お、お兄さん。怖いですよ………」 「ああ………すまん………」 りんこってただのエロゲーのキャラだろ? キスなんてできるわけねーし、やろうとしたって、せいぜいモニターに口つけるだけだろ? ………なのに、なんでこんなに気持ち悪りぃんだよ! 「だから、言ったじゃないですか。お兄さんは、本気で嫉妬しちゃってるんですよ」 「………………………ああ、そう………みたいだ………」 ぞっとした。 自分が、まるで今までとは違う、おかしな人間になったような気分だった。 だってそうだろ? たかが絵に桐乃を奪われないか嫉妬するなんて、狂ってるじゃねーかっ!!! 「お兄さん。本当は、わたしこんなこと、 絶対に絶対に絶対に、言いたくなかったんです」 分かるぜ、さすがに自分の親友の兄貴に、狂ってます、なんて言いたくねーよな……… 「お兄さんはおかしくなんかないです。普通です」 ………は? んなわけねーだろ!? たかが絵に嫉妬するなんてありえねーだろ!? 「もちろん、普通の状態の人がそんな事になったらおかしいと思いますけど、 ある特別な状態の人なら、それが普通だと思うんです」 「なんだよ、その特別な状態ってのは………」 「それは………人を愛しすぎ、恋焦がれている状態………です」 「な、なんだよ、そりゃ」 「分からないですか!?じゃあ、もっとはっきり言いますね! お兄さんは、桐乃の事を愛しすぎて、恋焦がれているから、 桐乃に近づくもの全てに嫉妬してもおかしくない、普通の事だって言ってるんですっ!」 あやせは両の目から涙を溢して、それでも気丈に俺を見据えていた。 「わたしも………わたしだって、お兄さんの事大好きだったんですよっ! でも………そんな姿のお兄さんを見たら、桐乃との事、 イヤでも応援しないといけないじゃないですかぁ………うっ…うぅっ………」 そうか。 俺の桐乃と一緒に居たいと思う感情、桐乃に近づくもの全てに嫉妬する感情……… それらは全て、桐乃が欲しい、桐乃を俺だけのものにしたいと思う気持ちから来ていたのか……… やっぱり俺は、どこまでもダメな奴だ。 妹を傷つけ、初めての彼女も傷つけ、そして今また妹の親友をも傷つけ……… それで、やっと………そこまでしてもらって、やっと……… 本当の気持ちに気が付くことができるなんて……… 「あやせ、すまん、俺は」 「謝らなくていいです。 わたしは………わたしが勝手にお兄さんの事、好きになっただけですから」 黒猫にも、あやせにも、そして、桐乃にも。 自分の想いを押さえ込んでもらって、今の俺は存在する事を許されてる。 そんなのではいけない。それは、この前の一件で身に染みたはずだ。 「………わかった。今から、桐乃の所に行ってくる。そして」 「もうっ、お兄さんっ!気が早すぎですよ♪」 「な、なにっ!?」 見れば、あやせは………いや、あやせたんは、涙をこぼしながらも、 あの天使の笑み………いや小悪魔の笑みを浮かべている。 そして、今、俺とあやせは駅前のジュンヌへとやってきている。 『お兄さんへの最後の相談です』 俺とジュンヌへ行く事について、あやせはそういう表現で切り出した。 そう、自分の想いを断ち切るため………たぶん、そういうことなんだろう。 「ところでよ、お願いを聞いてしまった俺が言うのもなんだが、 この状況を桐乃に見られたら、話が余計こじれねーか?」 「大丈夫ですよ。加奈子ちゃんを掘り出して、 桐乃となが~くお話しするように言いつけましたから」 ………掘り出して??? おい、その加奈子、本当に生きてるんだろうな? 「それはともかく、なんでここなんだよ………?」 「お兄さんはほんとうに鈍感すぎますね♪」 「………悪かったな」 はち切れんばかりの笑顔のあやせたんに、俺の心は打ち砕かれそうだ。 おまえも苦しいんだろ? 俺が嫉妬してるって分かるくらい、いろんなこと抱え込んでいたんだろ? 「お兄さん。わたし悔しいですけど、桐乃とお兄さんが幸せならいいなって、 そう思えるくらいには成長したんですよ?」 「そ、そうなのか」 やっぱ、俺の考えって読まれやすすぎだよな? 「本当は、お兄さんが黒猫さんと付き合うって聞いたとき、わたしの初恋は終わったんです」 「は、初恋だったのかよ!」 「それから、お姉さんに話を聞いてもらって、慰めたりもされて………」 そうか………麻奈実にも感謝しないといけないよな。 「そしたら、お兄さんに久しぶりに会って、ちょっと思い出しちゃっただけです」 「そうか………」 俺の回りの女性は皆、強い。 俺では全く釣り合わないほどに、皆、やさしい。 「話を戻すが、なんでここなんだ?」 「お兄さん。桐乃との最後の会話、まさか覚えてないなんて事はないですよね?」 ま、待て、その光彩の消えた目で見ないで! 今思い出すから! 「桐乃に、プレゼントをする予定だったな………」 「そうですよっ!仲直りのきっかけと………後は、分かってますよね?」 「ああ、もちろんだ」 とはいえ、何を渡すか………だが……… 指輪?いやいや、まだ気が早過ぎるだろっ!? ネックレス?うーん……… ピアス?まあ、妥当って言えば妥当かもしれないけど、 俺の気持ちを伝えるには弱いか? 指輪………………………? 「なあ、そういう時って、何渡したら良いと思う?」 「………やっぱりついて来てよかった………」 「す、すまん………」 だって、俺、本気で女の子へのプレゼントとか考えた事ほとんど無いもん! ………いいじゃねーかよ………そんな蔑んだ目でみなくたってよ……… 「でも、わたしはアドバイスはしますけど、ちゃんとお兄さんが選んで下さいね」 「あ、ああ」 まあ、当然だよな。 俺が桐乃に渡すんだ。 俺自身が選んだものじゃなきゃ意味ねーよな……… 「それで、お兄さんはどんなものを考えてみたんですか?」 「俺の………今の、本当の気持ちを伝えるには、やっぱり指輪が一番かなって思った」 「へえ………」 あやせは意外そうな顔をして、俺の顔を見つめている。 そんなに意外だったか? 「へたれなお兄さんにしては良い選択じゃないですか」 「変態なお兄さんからへたれなお兄さんに格下げっすか」 「当然です!桐乃のこと、こんなに苦しめてるんですから!」 まあ、ここまでの経緯をみても、俺の事をデキる奴! と思った奴は一人としていねーだろうことだけは想像に難くない。 「それで、どんな指輪が良いと思いました?」 「純金、とか?」 「………お兄さん。買えますか?」 「ごめんなさい。たぶん買えません………」 「もうちょっと真面目に考えて下さいね」 「はい………」 とは言ってもよ、俺、指輪の種類とか知らねーんだよ……… 「仕方ないですね。お兄さんの財布の中身はっと………これなら……… お兄さん。こっちに来てください」 俺は言われるままに、あやせたんに付いていく。 「ここです」 「ここは?」 「シルバーアクセのお店です。お兄さんの財布の中身ではこれが限度ですから」 「な、なんつーか………色々あるのな………」 店内に所狭しと並んだアクセサリーには、材質・デザイン・色、 様々な違いが有り、一つ一つ目移りしてしまう。 「素材が銀なのでそんなには高くないですし、金のメッキがちょっとだけ入ってるものや、 小さいダイヤモンドが入ってるのもありますし、色々ありますよね」 「そ、そうだな………」 いや、だが、桐乃がいつもつけているピアスや髪留めを見るに、 ゴテゴテと装飾の入ったもんは、あんまり好きじゃねーのかもしれないな。 それに………おっ? 「あやせ、コレって何だ?色違いのセットか?」 「ああ、それはペアリングです。愛しあう二人が一つずつ着けるんですよ」 「そ、そうか………」 ペアリングか……… 一つの指輪を桐乃に送るのも確かに良い方法だと思ったけど、 俺の本当の望みは、俺が桐乃を好きなだけじゃなく、 俺も桐乃に愛されたいって事だからな……… こんなにも俺が桐乃の周りに嫉妬してしまうのって、 結局の所、俺は、本当に桐乃に愛されているのか、 本当にずっと桐乃の一番で居られるのか、心配で心配でたまらない。 そういった感情から来てしまっているんだと思う。 だから……… 桐乃と結ばれれば、もう、周りに嫉妬する必要なんてないんだ……… 桐乃と結ばれたいんだ。 目の前には、ちょうど良さそうなデザインのリングがある。 シンプルで、それでいて堅実で。 「あやせ、コレ、どう思う?」 「お兄さんにしては上出来じゃないですか? なんかこれだと、わたしが来た意味はほとんど無かったみたいですね」 「いや、おまえが居てくれてほんとに助かってる。 正直、今まで探す事に夢中で気が付かなかったけどよ、 ここ、すっげー入りにくかったと思うわ」 だって、ちょう女の子向けって感じの店構えなんだよ! ま、何にしても………だ。 「すいません、店員さん、これ下さい」 結局の所、ここにあやせたんが居てくれて、本当に助かった。 なにしろ、俺ときたら、『リングサイズ』だの、『刻印』だの、 聞いた事も無い言葉に翻弄されて、結局あやせたんが殆どの事をしてくれたってわけさ! マジ、泣きたい……………………… それにしたって、あやせたんが、桐乃のリングサイズまで知っているとは……… 本人の弁によれば『仕事ではめる時もあるから』らしいが、どこまで本当なのやら。 俺?もちろんその場で測ってもらったさ。 幸い、在庫のある商品で、その場で刻印も出来、 20分もしないうちに指輪を手に入れることができたわけだ。 そして、今、俺たちは何故か俺の部屋に居る。 すぐにでも桐乃の部屋に向かおうとする俺を制して、何故か俺の部屋へ、 それも静かにそっと入ったわけだ。 部屋に入った直後、あやせは壁に耳を張り付け、携帯をいじくっていたようだが……… 「それじゃ、お兄さん。いつものように、桐乃の部屋の盗聴をして下さいね♪」 桐乃に聞こえないよう、小声で囁く悪魔(あやせ)だが、 おまえ、ぜってー分かって言ってるだろ……… 俺はそんなことはしてないって。 まあ良い。とにかく桐乃の部屋の会話を聞いて欲しいってことだからな。 俺は桐乃との壁に耳を押し付け、耳を済ませる。 壁越しに、加奈子と桐乃の会話が聞こえてくる。 (それでさ~、前にも言ったと思うけどぉ~、加奈子の糞マネさぁ~~~) (あ、あに………え、えと、マネージャーさんね?) ん?あいつ、俺が加奈子のマネージャーしてる事どこから……… いや、考えるまでもなく、この悪魔が教えたんだろうな。 (ほんっとひでェセクハラ野郎でさぁ、加奈子のコトぉ~ ぜって~イヤらしい目で見てるしぃ~~~) (………あっそ) い、一発で機嫌最悪かよ!? こいつもどんだけ嫉妬深いんだよっ! 「………つか、あやせたん?」 「わたしは、加奈子に、お兄さんの日頃の様子を話すように指示しただけですよ?」 ………そうかよ。俺はあのクソガキにもセクハラ野郎と思われてたわけだ……… (でも、意外とやさしいやつでさ~。 ブリジットのヤツも結構懐いてるしさ~、意外と子供受けいいんだぜェ?) (………………………) 正直、声が聞こえなくても分かる。 隣の部屋の低気圧は、既にハリケーンになる直前だってな。 (そうだ。最近、加奈子の事務所ぉ、あのクソガキが入ってきたじゃん?) (えっと、こども専務のCMの祐クンだっけ?) ああ、そんなこともあったな。 あんクソガキ、マジブチ殺したくなるレベルだったけどな! いや、ちゃんと仕事になるよう、なだめすかしたり色々大変だったんだぜ? まぁでも、ガキの話だしな、さすがに桐乃も落ち着くだろ。 (あの糞マネェ、ガキ相手に必死になっちゃてよぉ、マジ笑えたしぃ~) (そ、そうなんだ) (でも、意外と頼られててよぉ。あいつも新人みてェなモンなのによぉ? 先輩に対する態度とかぁ、シャカイジョーシキ?だとかぁ、 泣かせないように~って、おどおどしながら教えてやがんの!) (なんでっ!!!) 突然桐乃が激高した。 (なんでっ!いつもあたし以外の人ばっか!!!) (き、きりのぉ?) ああ、そうか………こいつ、あの時も……… 俺はたまらず駆け出していた。 あやせ。教えてくれて、ありがとうな。 「桐乃っ!」 扉を大きく開ける。 桐乃は、友達の前だというのに泣きはらしてしまっていた。 分かってる。 加奈子が何かをいった事が原因なわけじゃなくて、 最近………いや、これまでの俺の態度全てが原因だという事は。 「加奈子。お兄さんと桐乃は大事なお話があるから、こっちに、ね」 「お、おぅ?」 部屋の中には、俺たち兄妹だけが取り残されている。 「桐乃」 「何よ………」 「この前はごめん。俺、あやせやエロゲーの女の子に嫉妬してたんだ」 「な、何言ってんの、あ、あんた?」 まあ、ワケわからんよな? 俺だってあやせに指摘されるまで分からなかったわけだしな。 「俺、おまえが、あやせやエロゲキャラに入れ込んでるのを見て、 おまえを取られるみたいに感じてしまったんだ」 「………」 「それで、本気で嫌な気持ちになって、それで………」 「そっか、そうだったんだ」 桐乃の顔はまだ歪んでしまっているが、それは先程のものとは違う。 「あたしも………あたし自身おかしいと思うけど、たとえ男の人でも、 京介がどんどんその人に近づいていったり、一生懸命な所を見たら、 あたしが抑えられなくなったの………」 俺たち、やっぱり兄妹だから、凄く似てるんだな。 「今回の事、お互い様って事に、してくれるか?」 「うん………あんたも、あたしも、お互いに好き過ぎるからだって分かったから。いいよ」 「それじゃあ………これは『お詫び』じゃなくて、 おまえへの『プレゼント』ってことになるな」 俺は持っていた小さな箱を、桐乃に手渡す。 感情の高ぶっていた桐乃は、今になって、俺が箱を持っていたことに気が付いたようで、 目をぱちくりとさせている。 「ま、まあ、俺からの、本当の気持ちだって思ってくれ」 「う、うん………」 桐乃はおずおずと手を伸ばして受け取り、上目遣いに聞いてくる。 「ねえ、開けても良い?」 「ああ。今開けてくれ」 桐乃は包装を丁寧に剥がし、中に入っている上品な箱の蓋を開けた。 「ね、ねえ!こ、これって………!」 俺は決心してたのさ。 『俺が大切にしている女の子』に、俺の方から告白するってな。 「結婚しよう。桐乃」 End. -------------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/1653.html
737 名前:【SS】:2013/02/19(火) 19 46 00.16 ID a/G+2ggkO ぼちぼち花粉の季節。きりりんと京介は大丈夫なのだろうか? ~桐乃部屋にて深夜エロゲプレイ中~ 京介「ぶえっっっくしょんっ!!」 桐乃「ちょ!?なにすんのあんた!!なんでこっち向かってくしゃみするワケ!?顔にツバ飛んだじゃん!!」 京介「……わりぃ……。そろそろ花粉のシーズンかな……。」 桐乃「だいたいねー、花粉症なんて自己管理ができてない証拠。 バランスのいい食事と睡眠時間をちゃんととれば花粉症なんてならな…………くちゅん!」 京介「……ふーん、自己管理ねぇ。」 桐乃「……うっさい。」 京介「つーか、おまえもこっち向かってくしゃみしたけど、失敗に終わったようだな。」 桐乃「……………………。」スリスリ 京介「ちょ!おまえ!なに人の服で鼻水拭いてんだよ!!」 桐乃「あたし今、りんこりんで手が放せないし?てゆーかまだ少し鼻残ってるからティッシュで拭いてくんない?」 京介「自分で拭けよ。」 桐乃「だ~か~ら、手放せないっつったっしょ!」 京介「……しゃーねーな……。ほらよ。」 桐乃「……………………。」 京介「……これでいいか?」 桐乃「ん。…………てゆーかあんたも鼻水垂れてるよ。ほら、ちーんして!」 京介「……俺はガキか?」 桐乃「さっさとする!」 京介「…………はい。……………………。つか、そのティッシュ、さっきおまえの鼻かんだヤツじゃねーか!!」 桐乃「さっきあんたがあたしの顔にツバ飛ばしたおかえし。」 京介「…………おかえし……ね…………。」プニョン 桐乃「!?!!……あ……っ……んっ…………、ちょ!変態!どスケベ!!妹の胸に顔埋めるとかどういう…………。」 京介「あ!……わりぃ……、俺も仕返ししようと思って……深く考えなかったわ……。」 桐乃「~~~~~!……深く考えなかった……?バカ!!しね!!この強姦魔!!」 ドコォォォォォォ!!! バタン!!!! 桐乃「…………ばか。」 京介「ぶえっっっくしょんっ!!」 ~終~ ----------
https://w.atwiki.jp/kiririn/pages/840.html
216 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/06/21(火) 23 26 50.67 ID YwEtsQ5q0 [4/4] 桐乃留学中、塩浦海水浴場にて 京介「…あ、桐乃だ」 大介「…京介、桐乃はアメリカに留学したんだ、ここにはいない」 京介「いや、ほら、あそこにいるの桐乃だろ」 佳乃「寂しさのあまり幻覚でも見てるのかしら…」 京介「あ、桐乃がこっち見た」 大介「何!?どこだ!」 京介「お~い、桐乃~!」 一方その頃、サンフランシスコ州・ソーントンビーチ 桐乃「あ、京介だ」 リア「え?キョウスケ?どこどこ?」 桐乃「ホラあそこ。あ、手振ってる。おーい京介~!」 -------------